皆さんはバドミントンをプレーする際、なぜシャトルに水鳥の羽根が使われているのか不思議に思ったことはありませんか?
レジャー用のナイロン製(プラスチック)もありますが、公式競技では必ず天然の羽根が使われます。このシャトルには、数世紀にわたる試行錯誤の歴史と、現代科学でも再現困難な驚きのこだわりが詰まっているのです。
今回は、その進化の軌跡を紐解いていきましょう。
始まりは木の実と装飾用の羽根
バドミントンの原型の一つとされる、14世紀以降のイギリスの遊びバトルドア・アンド・シャトルコックでは、今とは全く異なる素材が使われていました。当時はコルクの代わりにムクロジなどの硬い木の実が使われ、そこに数本の鳥の羽根を適当に刺しただけの簡素なものでした。
その後、18世紀にインドで誕生したプーナという競技がイギリスに伝わり、近代バドミントンへと発展する過程で、飛行の安定性を求めてコルクと水鳥の羽根という究極の組み合わせに辿り着いたのです。

なぜ水鳥でなければならないのか
現代の競技用シャトルには、主にガチョウやアヒルの羽根が使用されます。なぜ陸の鳥ではなく水鳥なのか。それは、水鳥の羽根が天然の油分を豊富に含み、弾力性と強度に極めて優れているからです。
バドミントンのスマッシュは時速400kmを超えます。この凄まじい衝撃に耐え、瞬時に元の形に戻る復元力は、水鳥の硬い羽軸でなければ実現できません。
16本の羽根に宿る職人技
1個のシャトルには16本の羽根が植えられていますが、これらはすべて右の翼か左の翼のどちらか片方だけで統一されています。
- 飛行の安定: 右羽と左羽を混ぜてしまうと、回転のバランスが崩れて失速したり、軌道がブレたりします。
- 伝統の継承: 昔の人は経験的に、片側の羽根だけで作った方が綺麗に自転することを見抜いていました。
まとめ
木の実から始まったシャトルの歴史は、より速く、より正確に飛ばすための素材探しの歴史でもありました。その結果、行き着いたのが水鳥の天然羽根という答えです。
プラスチック製が進化を遂げた現代でも、トッププレーヤーが天然素材を愛するのは、水鳥の羽根が持つしなりと空気抵抗の制御が、他の何物にも代えがたいからです。
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