皆さんは、今や当たり前のように存在する世界バドミントン連盟(BWF)が、かつて二つの組織に分かれ、深刻な対立の中にあったことをご存知でしょうか?華やかなコートの裏側には、スポーツの枠を超えた政治的翻弄と、それを乗り越えようとした先人たちの情熱的なドラマが隠されています。
始まりはIBFの設立とアジアの台頭
バドミントンの国際組織は、1934年に設立された国際バドミントン連盟(IBF)から始まります。当初はイギリスを中心とした欧州諸国が主導権を握っていましたが、1960年代に入るとインドネシアや中国といったアジア勢が台頭し、勢力図が激変しました。
ここで大きな火種となったのが代表権問題です。特に、当時はIBF未加盟だった中国の扱いを巡り、既存の加盟国との間で激しい議論が巻き起こりました。これをきっかけに、1978年、アジアとアフリカの国々を中心とした世界バドミントン連盟(WBF)がIBFから分離独立する形で誕生します。

分裂が生んだ暗黒時代と再統合への道
この分裂により、バドミントン界は二つの世界選手権が並立するという異常事態に陥りました。最強を決める大会が二つあることは、競技の普及やオリンピックへの採用を目指す上で大きな足かせとなります。選手たちは政治的な理由で対戦の機会を奪われ、ファンは混乱しました。
しかし、この危機を救ったのは世界を一つにという関係者の執念でした。3年間に及ぶ粘り強い交渉の末、1981年に両団体は和解と統合に合意します。旧IBFの名称を残す形で組織が一本化され、ようやくバドミントン界に平和が訪れたのです。この再統合こそが、後の1992年バルセロナ五輪での正式種目採用を決定づける重要な一歩となりました。
まとめ:BWFという名称に込められた願い
2006年、組織はさらなる国際化とブランド強化を目指し、現在の名称である世界バドミントン連盟(BWF)へと改称されました。私たちが今日、世界最高峰のプレーを一つのルールのもとに楽しめるのは、過去の分裂という苦い経験を乗り越え、組織を統合させた歴史があるからです。
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